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転職するならどっち?船会社か、フォワーダーか? | 転職

「フォワーダーに転職したい!」フォワーダー出身の僕として残念なのは、これは頻繁に耳にする言葉ではない。フォワーダーという職業は一般的に馴染みがないからだ。

貿易の仕事から色々と調べていくとフォワーダーの仕事が何かが分かってくると思うんだけど、今回は僕の視点からフォワーダーについて船会社と比較して説明をしていこうと思う。


船会社はイメージしやすいだろう。同じ貨物を運ぶという仕事であるが、役割が全然違うので転職で仕事を決めるときの参考にして欲しい。

フォワーダーの仕事の概要

まず簡単にフォワーダーの仕事についてざっくり説明しよう。

フォワーダーは自社でアセット(船・飛行機・倉庫・トラック)などを持たず、主に船会社や航空会社の船/航空機のスペースを借りてクライアントに貨物輸送を提案する職業だ。


HISのような旅行代理店のようなイメージだ。自分達では飛行機、ホテル、レンタカーなどは持っていないけど、複数の協力会社がいてその組み合わせでお客にサービスを提供する形となる。

フォワーダーと船会社の関係

もう少しだけ深掘りしよう。船のスペースを借りるとはどういうことか?まずコンテナ船をイメージして欲しい。


最近のコンテナ船は大型化が進んでいて、大きい船だと20フィートコンテナという鉄の箱を23,000個 一度に輸送することが出来る。

船会社はこの船を運行するにあたり、貨物を集めなければいけない。スカスカの状態で輸送をすると赤字になるからだ。そこでフォワーダーの協力を募り、フォワーダーに貨物を集めてきてもらうのだ。

船会社も自社でスペースを埋める

もちろん船会社も自社でクライアントを抱え自分達でスペースを埋める努力もしている。船会社が取引しているお客はトヨタやダイキンのような大手の荷主で、1回の輸送で何百本というコンテナ輸送の予約がある。

しかし、それだけでは足りない。大手荷主のコンテナだけでは船のスペースを埋めることは出来ないので沢山の中小企業の貨物をコンテナを使って集める必要がある。そこで必要とされるのがフォワーダーだ。

大口貨物から小口貨物まで

フォワーダーの貨物の集め方は非常に幅広い。

もちろん会社によっては狙っている貨物が明確で限定しているケースもあるのだが、一回の輸送で100本を超えるコンテナや、1本のコンテナに満たない貨物を混載便として輸送するときもある。

船会社にとってのフォワーダーとは?

上述したように、船会社は自社で大手の荷主の貨物を集めると同時に、フォワーダーをお客として貨物を集めてきてもらう。

その為に小口を含む沢山の貨物を集めてスペースを埋めてくれることに貢献することが出来るフォワーダーは船会社にとっては非常に重要な顧客でありパートナーである。

船会社を選ぶことが出来る

これもフォワーダー視点での話になるが、船会社は一般的に自社の船のスペースを埋めなければいけない。


一方でフォワーダーは複数の船会社と取引があり、航路やスケジュール、運賃メリット、船会社のサービスによって使い分けることが出来る。

例えばAという船会社のスペースは埋まりやすいから、BやCの船会社のスペースも使えるという状況だ。複数の船会社との取引があるからこそ、何か問題などが発生した時でもフレキシブルに対応できる力がある。

船以外の貨物輸送手配

一般的に船会社は海の上の輸送しか対応をしない。


しかしフォワーダーは輸出者の工場から貨物をピックアップするところから、トラック輸送、輸出通関、海上輸送、輸入通関、トラック輸送、倉庫、輸入者に納品までDoor to Doorで貨物輸送を手配する。

トラック会社、通関業者、倉庫業者、梱包業者など複数のパートナーをもち、貨物輸送の全体を総指揮する役割だ。


だからクライアントからの特殊なリクエストやイレギュラーな問題に直面しても様々な提案やソリューションを持っている。

フォワーダーと船会社は同じ貨物輸送でも全く違う仕事だというのが分かるだろう。

まとめ

個人的にはフォワーダーの仕事を経験すると、対応力が身につくと実感している。


売り物は特に決まっていない。どの貨物・航路・輸送形態などを選ぶことも出来るし非常にクリエイティブな側面がある仕事だ。

今のところ僕達の取り扱っている求人案件はフォワーダーが多い。興味があれば是非問い合わせをして欲しい。

この記事を書いた人

イーノさん

イーノさん

飯野慎哉 - (株)HPS Link代表取締役社長。タイでHPS Trade Co.,Ltd 国際物流業者(フォワーダー)CEO。累計チャンネル登録者数8万人のLogistics YouTuber。 貿易・国際物流業界をもっとカッコ良くしたい。