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物流ロボット(ロボティクス)市場と各種データまとめ | 貿易・国際物流

物流ロボットとは

物流ロボットとは、輸送・保管・荷役・包装・流通加工といった作業を自動で行ってくれるロボットをさします。

物流ロボットの種類

入出庫関連ロボットについて

ロボット 定義
ロボット自動倉庫 入庫・保管・出庫までの一連のプロセスを自動化するシステム。物流ロボット同様マテハン(マテリアル・ハンドリング)に分類。すべてのオートメーション化も可能で、「無人倉庫」と呼ばれる事もある。
デバンニング(Devanning)ロボット コンテナから商品・貨物を取り出す作業を自動で行うロボット
バンニング(Vanning)ロボット コンテナへ商品・貨物を積み込む作業を自動で行うロボット。最適な積み方や、重要バランスを考慮した積み込みが自動でできるロボットが求められる。
無人フォークリフト フォークリフトを遠隔操作やプログラムにより自動制御し、自動走行や自動荷下ろしを無人でできる、AGVの一種
デパレタイズ(Depalletize)ロボット/デバレタイザー パレットから荷物を降ろす事
パレタイズ(Palletize)ロボット/パレタイザー パレットに荷物を積み付ける事

ピッキング関連ロボットについて

ロボット 定義
ピースピッキングロボット ロボット自身で商品の形状を識別し、商品を掴み上げる腕(アーム)と手(グリッパー)を持ち、ピースピッキングを実現するロボット。ピースピッキングとは、単品ごとに摘み取るようにピッキングすることをいい、別名バラピッキングともいわれます。
*GTP型AGV** 商品棚の下に潜り込み、作業員のいるピッキングエリアまで商品棚を搬送するロボット。
***AMR ロボット自身が周囲を検知し、目的地まで走行する自律走行型ロボット。人の同じ動線で作業を行う自律型協働ロボット。主にカメラによる画像認識かレーザーSLAMによって障害物等を認識し、走行する。

*GTP(Goods to Person)の略。自律移動式AGVの一種で商品の棚ごと運ぶことができ、物流の棚入れやピッキングの効率化が期待できるAGV。

床に貼り付けられたQRコードをカメラで認識し、棚の位置やロボットの現在地を認識。 **AGV(Automatic Guided Vehicle)の略で無人搬送車あるいは無人搬送機の事。

床に埋め込まれた磁気テープやレールなど決められたラインの上だけを搬送。

日本工業規格(JIS)では「一定の領域において、自動で走行し、荷など人以外の物品の搬送を行う機能をもつ車両で、道路交通法に定められた道路では使用しないもの」と定められている。

経路に沿って設置した誘導体によって無人搬送車を誘導する「経路誘導式」、誘導体は必要としない「自律移動式」、先行する特定の人や車両などに追従する形で移動する「追従式」に分類される。 ***AMR(Autonomous Mobile Robot)の略

搬送・仕分けロボットについて

ロボット 定義
搬送用AGV 商品の搬送を担う、無人走行型の搬送用(台車)ロボット。床面に磁気テープや、QRコードを設置し誘導するライン式AVGと、ロボット自身でマッピングを行いながら自立走行をするSLAM式AGVを定義の範囲とする。
仕分けロボット 商品を方面別に自動・自律的に仕分ける事が出来る可動式のロボット。固定設備のソーターなどは含まない。

物流ロボティクス市場規模(事業者売上高ベース)

・2019年度の物流ロボティクス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比155.3%の131億40百万円と推計した。

・2020年度の物流ロボティクス市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比133.4%の175億30百万円になると予測する。

・現在実証実験が進められているラストワンマイルの配送を担う屋外での配達ロボットやドローンも、道路交通法や航空法の改正や緩和が行われていくことで、5年以内には実際に稼働していく可能性が高い。

こうした屋外向け物流ロボットも加わることにより、当該市場も伸長していく見通しで、2025年度の同市場規模は583億円、2030年度には1,509億90百万円になると予測する。(引用

物流ロボット市場 各種データまとめ

日本関連情報

・日本では、自動運転ベンチャーのZMPが物流支援ロボット「CarriRo(キャリロ)」の開発・販売を手掛けている。また、パナソニックやオムロンなどの大手企業も事業展開を加速している。

・日本国内では日立インダストリアルプロダクツ社などがAGVの納品実績が多いことで知られる。

・次世代物流システム・サービス市場

  2021年見込み 2026年予想
ロボティクス・オートメーション 440億円 914億円
ロジスティクス・ファシリティ 2483億円 3152億円
ラストワンスマイル 245億円 459億円
IoT 477億円 642億円
AI 78億円 506億円
サービス 2559億円 3956億円
合計 6282億円 9627億円

・AI再配達回避ソリューション

  2021年見込み 2026年予想
日本 20億円 130億円

主に個人宅向けの輸配送業務において、AIの活用により再配達を回避するソリューションを対象
・RaaS(Robot as a Service)(引用

  2021年見込み 2026年予想
日本 2億円 33億円

物流向けと対象物流施設内のピッキングの補助やソーティングを行うロボットと、ソフトウェア、保守・メンテナンス、コンサルティングなどをパッケージとして提供するサブスクリプション型サービスを対象

・無人宅配・配送ロボット

  2021年見込み 2026年予想
日本 7億円

UGV(無人陸上走行車両)を用いて屋外で郵便物や飲食物の配送するロボットを対象。現状は、敷地内での利用または公道で実証実験が行われている段階であり、参入を目指すメーカーが増えている。

・AGV・アーム付AGV

  2021年見込み 2026年予想
日本 220億円 397億円

製造現場などで部品や半製品、完成品の搬送に利用される自律走行型の無人搬送車を対象 ・WMS(倉庫管理システム)

  2021年見込み 2026年予想
日本 190億円 263億円

物流現場における在庫管理、入出庫管理を行うソフトウェアを対象

 中国関連情報

・AMR(AI物流ロボット)製造の中国企業ギークプラス(Geek+)は中国メディアが選ぶ中国ユニコーンTOP 100にノミネートされた他、日本国内の倉庫におけるシェアでも2年連続1位となっている。

2017年8月に日本法人を立ち上げ、倉庫におけるAI物流ロボットの国内販売数量、金額では、2018年は約5割、2019年は7割のシェアを獲得し、2年連続で国内シェア1位(※富士経済調べ)となっている。

アメリカやロシア、ドイツ、イギリス、オーストラリアなどにも展開しており、AI物流ロボットに関しては世界で1万台以上の販売実績があるようだ(引用)。

これまでに100億円以上の資金を調達し、「T-mall」を手掛けるアリババグループをはじめ、VIPShop、Suningを含む20以上の顧客から1000台のロボットを倉庫に導入している。

・中国ではAMRの製造が盛んに行われており、代表的な企業の1社がQuicktron。同社のAI搭載型AMRはすでに多くの小売業や製造業の企業で活用されており、2020年の総受注高は前年比で300%以上増加した。2022年には上場を計画しているようです。

・物流ロボットを扱う中国スタートアップ企業「シリウスロボティクス(Syrius Robotics)」は、中国国内ほか、日本や韓国、シンガポールでも快進撃を続けている。

特に日本では、実績としてこれまでに120台のロボットが数カ所の倉庫で稼働している。

TikTokの運営会社バイトダンス(字節跳動)からシリーズBで2000万ドル(約22億円)超を調達し、製品の開発や市場開拓を進めていくと発表。


・2016年モバイルロボットメーカーForwardX Roboticsが創業。
2016年~2019年末までの販売台数がたった3台が、2020年以降急成長、2022年3月時点で抱えている顧客は70社以上。これまでに納入した台数は1千台に上るという。
2021年12月、シリーズCで中国の保険会社であるTaikang Life Insuranceなどから3100万ドル(約37億円)を調達し従業員数は約100名。

・中国深センに拠点を置くスタートアップ、HAI ROBOTICSもその内の1社だ。2021年8月に日本法人のHAI ROBTICS JAPANを設立して以来、国内展開を加速している。

HAI ROBOTICSのACR製品は、国内においては現時点で600台程度受注する見通しで、「1企業当たり平均20台、多い企業では数百台導入する見通しだ」(劉氏)という。

・「無人搬送車(AGV)業界の世界市場・中国市場:2020年~2026年」によると、AGVの需要が近年高まり、2019年の中国での販売台数は40,670台で、前年比37.4%増加した。20年の販売台数は53,000台となり、26年には130,000台を超えると予想する。

世界の物流ロボット市場と調査機関による今後の予測

・世界の物流ロボット市場は2018年における43億5,620万米ドルから、2019年から2027年の予測期間にわたり19.1%のCAGRで成長し、2027年までに202億9340万米ドルに達すると予測

・世界のモバイルロジスティクスロボット市場は2019年に約35.5億米ドルと評価

・世界の物流ロボットの市場規模は、2021年は117億米ドルで、2022年から2027年の間に24.16%のCAGRで推移し、2027年までに494億米ドルに達すると予測

・世界のAGV (無人搬送車)・AMR (自律型移動ロボット) 市場は順調な成長を遂げ、2021年の30億米ドルから2027年には180億米ドルを超えると予測
2027年には、約64万台のモバイルロボット (AGVとAMR) が出荷され、設置ベースは240万台に達すると予測

・印調査会社のレポートオーシャンは19日、世界のロジスティクスロボット市場が2026年までに238.6億ドル(2兆5793億円)に達すると予測した調査レポートを発行

・産業用ロボットの世界販売台数は、2016年から2017年に31%増加し(294,300台)、387,000台に達しました。また、国際ロボット連盟は、2021年までに産業用ロボットの世界出荷台数が約63,000台増加すると予測

この記事を書いた人

高田圭祐

高田圭祐

高田圭祐 - 東南アジアと日本で活動する”貿易・物流系Webライター”。イーノさんとはタイで知り合う。(株)HPS Linkのマーケティング全般をお手伝い。