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国際宅配便について | 貿易・国際物流

国際宅配便とは

国際小口航空輸送とも呼ばれ、日本では 1972年に DHL社が開始したのが最初となります。

大別すると,海外に業務用書類,カタログなどを送るクーリエサービス,部品・商品見本などの小口貨物を送るスモールパッケージサービスの2種類に分けられます。

輸送は業者が責任をもって「国際版ドア・ツー・ドア」を行い,通関業務も併せて行います。

利用者は法人が9割以上で,取扱件数の約6割は書類となります。

国際宅配便は、民間の配送会社の事を指します(「公的配送会社」によって取り扱われるのは国際郵便)。
日本ではヤマト運輸・佐川急便、アメリカではUPS・FedExなどが国際宅配便に該当します。

日米の民間配送業者の違いは、輸送規模です。ヤマト運輸や佐川急便は配送のほとんどをトラックが担っているのに対して、FedExやUPSは、トラックの他に自社航空機も保有しています。


国際郵便と国際宅配便は通関制度が違う

国際郵便と国際宅配便の最大の違いは、通関制度です。関税を決める税関手続きがそれぞれ異なります。
国際郵便の税関手続きについてのみ少し記載いたします。(詳しくは別途ブログ記事にします)

国際郵便の税関手続き

国際郵便で発送された荷物が日本の税関に到着すると、まず書類審査が行われます。
書類審査で問題が見つかった場合は、現物を以下の3つの方法で検査します。

  • X線検査
  • 麻薬犬検査
  • 開封検査

審査・検査が終わると、税関によって関税が決定されます。
荷物の課税価格の合計が20万円以下の場合は、簡易税率が適用されることがほとんどです。
簡易税率は荷物の種類によって異なります。
国際郵便について代表的なもの:EMS、SAL,Eパケットなど

国際宅配便の税関手続き

国際宅配便で日本に到着した荷物は、各民間配送業者が申告した書類に対して審査が行われます。

また、関税も税関が決めるのではなく、配送会社の通関士が関税を申告する仕組みです。
簡易税率ではなく一般税率で申告してほしい場合は、配送会社に申し入れることも可能です。
ただし、対応してくれるかは配送会社により異なる為、注意が必要です。

国際宅配便について

国際宅配便における代表的な輸送業者は クーリエ(Courier)と呼ばれる事が多く
その他、エクスプレス、スモールパッケージ、インテグレーターと呼ばれ方もあります。

  • 航空輸送を主力とした輸送
  • 書類やサンプル品といった小口貨物に適している輸送
  • 原則Door to Doorでの輸送

などの特徴があります。

一般航空貨物輸送の際に知っておくべき事

インボイスが必要な場合もある
国を超えた荷物のやりとりをする場合、税関で通関手続きを行うことが必要です。
国際宅配便を利用する場合は、書類以外の荷物を送付する際に「インボイス」という荷物の内容証明となる書類を準備しなくてはなりません。
国際郵便の場合は、基本的に(商品が20万円より少ない金額の場合)個人での手続きは不要です。

関税諸費用が必要な場合もある
届け先の国で、輸入するときに関税諸費用が発生する場合があります。
通常は届け先に請求されますが、トラブルがないように確認しておくようにしましょう。

関税

国境を通過する物品に対して課される税で、お届け先の国内産業の保護のため、輸入貨物に対して課されます。
国ごとに、税率や課税の対象となる品物は異なります。
関税の他にも物品税、付加価値税などが課される場合もあり、総称して「関税等諸費用」と呼んでいます。
※送料に関しては、非課税です。

料金設定について

基本的にKg単位での料金設定となります。

国際宅配便の料金システム
国際宅配便には以下の料金が含まれています。

  • 配達料
  • 通関料
  • 集荷料

料金の算出方法
国際宅配便は、Door to Doorのパッケージ料金となります。
実際には箱が大きく、軽い荷物に関しては 限られた航空機スペースを多く占有してしまう為、
容積重量といった箱の大きさに対する料金設定があります。

【容積重量の算出方法】
体積(㎥)÷5000 で算出
例)50cmx50cmx50cm÷5000=25.0(容積重量は25㎏) 
↑このようなケースの場合、実際の重さ10㎏ではなく、25㎏が適応されます。

【一般航空貨物輸送について】
AirCargo(一般航空貨物輸送のこと)は、インコタームズに基づいた輸送で、料金は細かく分かれています。

国ごとに送付できるものが違う

国ごとに送付できないものが定められている場合があります。
食品や化粧品など、届け先の国の規制に応じて禁制品があるので、事前に確認しましょう。

有名なクーリエ業者の特徴について


引用元

DHLの特徴

基本サービスは「DHL Express Worldwide 」です。配達可能な営業日中の配達を行うサービスです。
220以上の国・地域220以上の国・地域に対応。1梱包あたりの最大寸法は120 x 80 x 80cmで、70kgまで対応しています。
配達の時間指定が可能なサービスもある。「DHL Express 12:00」では正午12時までに、「DHL Express 9:00」では朝9時まで(アメリカは10:30まで)に配達されます。

【送れるもの、送れないもの】
動物、剥製など、遺体・遺灰、金銀塊、現金、銃弾や爆発物、非合法物品の取扱いは不可です。また、国ごとに輸入制限が異なるので、事前に確認しましょう。

FedExの特徴

荷物の最大寸法は幅274cm、長さ+胴回り330cm。重量は68kgまで可能です。その他にも最短翌日配達も可能なプライオリティサービスが多数準備されています。

【送れるもの、送れないもの】
輸送禁止されているのは、軍施設あての荷物、代金引換払いの荷物、遺体・遺灰、爆発物、銃器、生鮮食品、動物(剥製等も含む)、植物、有害廃棄物、違法なもの、濡れているもの、信書などです。ただ、個別に許可を得れば可能な場合もあるので、カスタマーセンターに問い合わせましょう。

UPSの特徴

取扱いサイズ:1梱包の最大重量は70kgまで。1梱包の最長辺は274cmまで。
1梱包の最長辺と胴回り(縦x 2 + 高さx 2) の合計400cmまでの荷物に対応しています。

【送れるもの、送れないもの】
弾薬、銀行手形や貨幣、遺体・遺灰(人間・動物問わず)、有害廃棄物、大麻、偽造品、違法野生生物製品、違法麻薬、爆発物、違法タバコ、前駆体化学物質などが禁止されています。また、国ごとに禁制品もあるので、詳しくは確認しましょう。


まとめ

本記事では国際宅配便と国際郵便の通関の違い、国際宅配便とは、国際宅配便の料金、注意点、代表的な各社の特徴についてまとめてみました。
国を超えた物流においては、国毎の様々な決まり、輸送方式、各社の特徴にとって、異なる点が非常に多く複雑です。

本記事で少しでも国際宅配便について理解を深め、皆様のお役に立てる事を願っています。

似て非なるサービス、国際郵便についても以下記事でまとめていますので、是非合わせてご確認ください。

この記事を書いた人

高田圭祐

高田圭祐

高田圭祐 - 東南アジアと日本で活動する”貿易・物流系Webライター”。イーノさんとはタイで知り合う。(株)HPS Linkのマーケティング全般をお手伝い。