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初めての海外就職で注意すべきこと。キャリア構築に失敗するケース | 新卒・就職活動

海外で仕事をしてビジネスパーソンとしてのキャリアを構築したい。英語での交渉、海外オフィスでの会議。何かキラキラしていて憧れを抱いてしまうかもしれない。僕がそんな感じだった。

実際にタイで現地採用と起業を実際に経験をしたんだけど、海外での仕事・就職というのはイメージしていたものと比べて物凄く泥臭いと思った。

そしてある条件がないとキャリア構築どころではなく、逆に回り道をしてしまう事に気がついたのは移住してから5年くらい経ってからだろうか。

今回の内容は、これから初めての海外就職を考えている人。特に20代の若者に、実際に海外に行ってしまう前にお伝えしないといけない。

海外就職の特徴

僕自身はタイでしか就職をしたことがないんだけど、今回お伝えする内容は他の国での駐在や現地採用を経験した人たちともお話をしたことがある。

これは僕の思い込みだけではなく、多くを共感してもらった内容であり、他の国でもある程度は共通していると思うので聞いてほしい。

日本人の外国での雇用形態

一般的に日本人が海外で仕事をする時の雇用形態は以下の通りである。

1. 日系企業の駐在員
2. 日系企業の現地採用
3. 外資・ローカル企業の現地採用
4. 現地で起業

これらのどれかの形で就業をすることになるのだが、それぞれのポジションで役割や待遇が大きく異なる

これらを理解せずに単に海外就職の憧れだけで、勢い任せに渡航をしてしまうと痛い目をみることになるだろう。

海外で日本人を相手にする

上述したどのケースであったとしても、日本人が海外で就職をして求められる多くは、現地にある日系企業の対応だ

産業の空洞化と呼ばれるくらい日系企業は海外に進出してしまっている。

もちろん英語と現地語がバリバリ出来て、その国の歴史や文化などを十分に理解していればまた別のことを求められるだろうが、稀なケースだと思うので今回は説明を割愛したい。

また現地での起業については別の機会にお話しすることにしよう。

日本人マーケット

日本語というのは習得するのが比較的困難な言語だし、また日本人にはハッキリと要求を伝える欧米文化とは違い、察することが求められる。

更に一部では外国人や外様を迎え入れない傾向もある。

なので良くも悪くも、日本人というだけで そのマーケット内ではある一定の需要があるのだ。

では、日本人マーケット内で需要があるからといって、単に日本人であれば海外で仕事をして通用するのか?

答えは「仕事内容による」だ。もう少し詳しく見ていこう。

英語が話せない

英語圏でなかったとしても、英語は世界共通言語として認識されていることもあり、英語が話すことが出来れば日本人以外の国の人とコミュニケーションが取れる。

日本人以外とコミュニケーションが取れることで活躍の範囲が広がるのだが、もし日本語しか話せない場合は、職場や活躍できる場所が限定されてしまう

ここからは僕が移住していたタイでの例を挙げてお話を進めていこう。

日本語が話せれば出来る仕事

タイでは大使館に登録されているだけで約700万人の日本人が住んでいる。このマーケットを相手にするだけで商売が成り立ってしまう

そして実際にこのタイに住む日本人だけに向けたサービスは非常に多いのだ。Visaの取得代行、飲食店、携帯電話、病院、フィットネス、整体、美容院などなど。あげればキリがない。

コールセンター

そんな中で日本からタイへの就職で、就職斡旋業者が募集しているものでよく聞くものがコールセンターである。

コールセンターと言っても拠点がタイにあるだけで、話している相手は日本のサービスを使った、日本人向けのカスタマーサポートのような形。

周りで働く従業員もほぼ100%で日本人という環境だ。

日本語学校の講師

もう一つよくあるのが現地人たちに日本語を教える日本語教師だ。

現地の人たちとコミュニケーションをする機会がある分、コールセンターとは違った雰囲気ではあるが、ここでも英語が求められないケースが多い。

日本語を学びにくる現地人に100%日本語だけで、マニュアル通り+質問に日本語で答えるというものだ。

キャリアに繋がりにくい

これらの仕事のように使っている言語がほぼ100%日本語の場合、また相手にしているのが日本人の場合、ただ海外で働いたというだけで残念ながらキャリアに繋がる経験にはなっていない

海外に移住をしたら、海外で仕事をしたら英語が話せるようになる!海外での仕事はキャリアアップに繋がる!と期待しているのであれば、その前に自分のスキルや実績を見直してみよう。

憧れも大切だが、憧れだけでは「思っていたのと違う」と後悔する可能性も高い。

日本での実績

ではそのキャリアに繋がる仕事を得るためには何が必要なのか?英語だろうか?若さだろうか?

答えはズバリ日本での実績である

日本で何も仕事の実績がない、日本語しか話せないという場合、上述した日本人であればある程度は可能な仕事ということに限定されてしまう。

しかし日本での仕事の経験・実績が十分あれば、海外の日系企業への営業やサポートをしながらも、現地スタッフたちとの連携、本社との連携、周辺国との折衝などの機会も生まれる

そしてこれは大きな経験に繋がり、キャリアアップに繋がりやすい。

新卒、第二新卒の君へ

この内容を特にお届けしたいのは新卒や第二新卒の若者たちである。昨今では海外就職を斡旋する業者も多くあり、海外でのキャリアアップという言葉などを使って、若い日本人を募集するケースも少なくない。

上述した通り、仕事経験が全くない状態での海外就職はリスクの方が大きい

僕自身、日本で新入社員の経験やタイ人の育成を経験した。改めてだが、日本の会社の新人教育レベルは非常に高いレベルにあると実感してしまう。

新卒のカードを海外就職に使うのはお薦めしない。第二新卒では大した実績もないだろうから、これもお勧めしない。

まとめ

ざっくりではあるが海外就職での仕事内容と、海外での日本人の役割などをお伝えした。日本語しか話せない、就職経験がないとなると海外での仕事は限定されてしまう。

その状況では残念ながらキャリアアップに繋がりにくく、ビジネスパーソンとしての貴重な時間が無駄になりかねない。

もちろん海外で生活する経験というのは貴重な体験ではあるので全否定はしない。しかしキャリア構築という意味においては今回お伝えした内容は気をつけて欲しいと思う。

この記事を書いた人

イーノさん

イーノさん

飯野慎哉 - (株)HPS Link代表取締役社長。タイでHPS Trade Co.,Ltd 国際物流業者(フォワーダー)CEO。累計チャンネル登録者数8万人のLogistics YouTuber。 貿易・国際物流業界をもっとカッコ良くしたい。