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昨今、転職業界では売り手市場なんて言われていますね。実際、私たち貿易・国際物流業界でも人手不足だという声を企業側から聞いております。

この状況なら未経験者も採用されやすいのでは?と思いたいところですし、私個人としてはウェルカムではあります。


しかし、有料職業紹介業をやってみて思ったのが、こんな状況でさえ未経験者がこの業界に正社員として入ることは容易ではないということ。

未経験者にこういう話をすると、恐らく自信がなくなってしまう人もいるかも知れませんね。

これは怖がらせている訳ではなく、理由や現状をお伝えし、それを知ることで未経験で採用してもらう為の戦略を練る材料にしていただきたいのです

実際、私も27歳の時に未経験でフォワーダーに転職できているので、経験談も含めて参考になれば幸いです。

転職のきっかけ

私は大学を卒業してから27歳まで一度も正社員になったことがなくコールセンターに派遣として働いていました。

ある時、父の中国人の友人が家に来た時に雑談している中で転職の話になりました。

彼は普段は上海で貿易商を営んでおり、いつも利用している上海のフォワーダーの社長から以前、“中国語が話せる日本人を探している”と相談を受けたことがあったとのことで紹介してくれる流れになりました。


その時たまたま私も履歴書を1枚書き終えており、証明写真も現像したばかりで手元にあったので、それをその人に託しました。

しかし、改めて確認してみたところ、既に募集が終わってしまったとのことでした。

上海勤務必須の正社員に

ところが、後日、父の友人が上海に帰国し履歴書をそのフォワーダーの社長に渡しに行ったところ、たまたまその日に日本人スタッフ(通訳兼CS枠)が退職届を出したとのことで、空きが出たのです。


その社長と日本で面接を行い、幸いにも盛り上がったおかげで採用が決まりました。

その会社は日本に子会社があるものの、通訳兼CSは上海本社の営業部に配属となる為、上海に行くことが必須条件でした。元々中国に行く気は全くありませんでしたが、正社員になる為にはそれしか選択肢がないと思い、上海へ飛びました。

採用してもらえた理由

後から社長から聞いたのですが、未経験でも採用してくれた理由は、

・そもそも日本人で経験者の中国現地採用を見つけられること自体がかなり稀(人気がない)の為、未経験者でも積極採用する姿勢であった。
・中国語会話が問題なくでき、意思疎通ができたこと。
・容姿(身だしなみや体型、顏など)が社長の求める基準をクリアしていた。

この社長は堂々と、営業部は顧客と顔を合わせるので、特に容姿を重視していると言っていました。実際、営業部は社内でも美男美女の割合が多かったです(笑)

正直、容姿をジャッジするのは失礼な話だなと思ったりしましたが、後から思えば、なんだかんだお客さんも皆口には出さないが容姿を見ていたので、身だしなみは大切だと気づかされました。

仕事での立ち居振舞い

入社した頃、貿易どころかフォワーダーという仕事自体知らなかった私であります。日本人の先輩が貿易実務の本を貸してくれ、1週間ほどは会社でひとり貿易の本を読んで過ごしました。

1週間経った頃、社長から100社ほど載っている会社リストを渡され、テレアポをするよう言われました。言われるがまま電話をしても専門用語や貿易の流れがまだ頭に入っておらず、電話の相手と全く会話が成り立たなかったことを覚えています。


日系大手企業だったらしっかりOJTで教えてくれるかもしれませんが、海外の中堅フォワーダーは教えてくれません。

先輩の仕事を見て覚える

先輩の仕事を見て真似たり、分からないことがあれば積極的に質問をして覚えていくしかありませんでした。しかも最初は何もできないので仕事が回って来ないどころか、中国人営業から挨拶すらされず目も合わせてくれませんでした。

たまに回ってくる仕事は、先輩方が断った厄介なお客さんや面倒な案件が多かったです。


また、社長の定期的な海外出張も先輩方が行きたがらないので、私が積極的に同行していました。

試用期間3ヶ月の間はとにかく早く仕事をこなして覚えることに必死でした。社長に認められなかった場合は解雇され日本に戻ることになるからです。

最終的には無事に認められ、正式に雇用されることになり、仕事も回ってくるようになりました。

会社に評価されるコツ

・NGは出さず、やらせてもらえる仕事は全部引き受ける。
・誰かに教えてもらえると期待しない。
・先輩の仕事を奪うくらいの気持ちでとにかく積極的に動く。
・質問をするなど、社員と積極的にコミュニケーションを取る。

とにかく先輩や上司、社長に印象を残すことが大切だと思っています。

まとめ

正社員になるからには、安定した会社に就きたいという気持ちがあるかと思います。その為、大手企業を狙いがちですが、皆同じことを考えているので応募する人数が多く、競争が激しいです。

その中で未経験者は経験者と比べたら圧倒的に不利となります。


貿易関係の仕事をやっていきたいのであれば、とにかく業界で経験を積むことが最優先です。

知名度があまりない中小フォワーダーは案外、人材集めに苦労している所もあります。そういう会社であれば、未経験者でも積極的に採用する傾向にあるので結構穴場だったりします。

中小フォワーダーは少人数で仕事をこなす為、業務量が多い上に残業も少なくないかもしれません。しかし、違う視点から見ると、色んな業務を任せてもらえるというメリットがあります。


スポーツに例えると、まずはマイナーリーグを狙って応募します。採用されてもいきなりマウンドに立つことはできません。まずはボール拾いや片付け、荷物持ち、ベンチを盛り上げたりしながら先輩たちのプレーを見て覚え、自主練習をするのです。

スタメンが怪我をするなどで一時的にポジションが空いたとき、あなたがそのポジションをこなせるのであれば声が掛かるようになります。

その繰り返しでやっとスタメンに就けるようになるのです。

是非参考になればと思います。

この記事を書いた人

ゆめこさん

ゆめこさん

山宮夢子 - 株式会社HPS LInk 取締役