フォワーダーの営業マンとして活動していると転職の話を周囲で頻繁に耳にする機会があるだろう。
アセットを持たず自分自身の知識と、提案・対応能力でお客にサービスを提供するフォワーダーの営業という仕事は転職がしやすい業種の一つである。
今回は、もしあなたがフォワーダーの営業として転職に興味がある、転職を成功させたいと思っていれば、これからお伝えする6のポイントを意識して活動することをお勧めする。
1. フォワーダーの営業職は汎用性がある
フォワーダーの営業マンの仕事においてメリットの一つは、この仕事には特に汎用性がありどこでも同じように活動が出来るということだ。
一般的には国際物流という仕事は荷主から貨物を引き取り、船や飛行機を使って輸入先の荷受人に届ける仕事。
特殊なケースを除いては多くの場合の貨物輸送プロセスは同じになる。
その為 他社に転職したとしてもお客の取り扱い貨物が違ったり、社内のオペレーションの詳細が違っても、営業マンとしての活動方法は基本的に変わらないという特徴がある。
2. お客は営業についていく
これはよくあるケースなのだが、フォワーダーの営業マンが転職することになり、引き継いだ担当者とお客とのコミュニケーションが上手くいかなければ、同業他社に転職した元の営業マンに仕事が依頼される。
もちろん転職前の会社との契約や仁義もある。その為に積極的に営業マンは担当していたお客を転職先に持っていくべきではない。
しかしルールと仁義を守った上で、自分のお客の要望から継続的にサポートをすることは可能であり、担当する顧客を維持しながらの転職も可能だ。
3. 自分の得意を理解している
フォワーダーの営業マンの仕事には汎用性があると理解したら、次は自分の得意領域を明確にしておいた方が良い。
フォワーダーという仕事では貨物を運ぶという決まったフォーマットではあるものの、貨物の内容や送り先、配送方法などの組み合わせによって必要な専門知識が異なってしまう。
例えば貨物内容であれば、自動車・食品・危険品・機械類などで使用する器材・梱包方法・温度管理などが異なり、特定の地域への輸出・特定の地域からの輸入も同じで特定の専門知識が必要とされる。
強みを明確にするメリット
ある程度は領域を限定し、自分の強みを明確にして意識的に活動することで「〇〇の物流といえば△△さん」とブランディングが出来上がる。
「なんでも運ぶことが出来る!」と表現する方が色んなお客をターゲットにすることが出来て有利と考えるかもしれないが、これは気をつけよう。
貨物を他国に輸送するということは、貨物ごとの各国との経済協定なども含めて学び・理解をする必要がある。
実務においても強みを限定する方が、専門家として深い知識をもってお客をサポート出来るだけでなく、転職活動においても得意を明確にアピール出来るのでメリットと言えるだろう。
4. 日系と外資系フォワーダー
フォワーダーの会社は日系と外資系では大きく特色が異る。上述したようにフォワーダーの営業の仕事は汎用性があり、日系であれ外資であれ基本的には同じような仕事をすることになるのだ。
しかし日系と外資系では働き方、営業マンに求められるものが大きく異なる。
もちろん会社によって方針は違い、全てを日系・外資で分けられるものではないのだが、傾向としてお伝えしていきたい。
日系フォワーダーの特徴
一般的な日系フォワーダーの営業マンに求められるのは、お客に対してのきめ細やかなサービスと、既存顧客の維持、関係を保つことだと言える。
そして日系フォワーダーの海外駐在の仕事の場合、日本で獲得した海外の現地法人顧客のフォローアップや日本絡みの輸送案件の現地サポートが多い。
自ら積極的にハンターとして新規顧客獲得を強制される場面は少ないだろうし、数字として結果に繋がらなかったとしても解雇されるケースはほとんどない。
外資系フォワーダーの特徴
一方で外資系フォワーダーの場合は180度異なる。数字に対してシビアに結果を求められ、パフォーマンスが悪ければ当然のように解雇される。
外資系のフォワーダー営業をしている人たちも、それを理解していてハンターのように活動し、2−3年毎に外資系フォワーダーに転職をして年収を上げていくスタイルの人が多い。
これ自体は良い悪いという話ではなく、単に日系と外資系では働き方の傾向がかなり違うということを理解して欲しい。
5. 人脈で転職オファーが来る
フォワーダーの営業マンとして積極的に活動をしていると、業界内で人脈が広がっていく。良い営業マンは特に横の繋がりが広く・強く、転職するとなった時に人脈から転職につながることも少なくない。
フォワーダーはサービス業である。
日々の仕事でしっかりと良いサービスを提供することが出来ていれば、そして積極的に人との繋がりを意識して活動をしていれば、かなりの確率で転職を意識したときに声がかかるだろう。
6. 海外でも働くことが出来る
そして最後に国を超えても活動できることをお伝えしたい。これは僕の経験でもあるのだが、タイで8年間フォワーダーとして活動をしてきた。主な顧客はタイにある日系企業だが、ローカル会社にも営業活動を仕掛けていた。
何度も言うがフォワーダーの仕事は汎用性がある。国によってはローカルルールが異なり、一緒に働くチームの働き方も日本とは違う事もあるのだが、基本的には同じだ。
僕も日本でフォワーダーの業務経験があり、その経験を活かしてタイで営業活動をすることが出来た。日本以外でも働けるという選択肢がデフォルトとしてあり、フォワーダーの営業は魅力的な職業だと強く思う。
まとめ
これまで説明してきたように、フォワーダーの営業という仕事においては汎用性もあり、日々の仕事をしっかりとこなし、強みを磨いていけば転職で苦労することはないだろう。
もう一つの会社に定年まで勤める時代ではない。また同じ会社で昇給を繰り返すより、最適な転職をすることで自分の年収を大きく上げることが出来る。
自分の実力を活かし、働く場所や環境を選びながらフォワーダーの営業として計画的に転職をし、良いキャリアを作り上げていこう。