国際郵便とは
外国宛に差し出す、また外国から到着する郵便であり、通常郵便物、小包郵便物および国際エクスプレスメールExpress Mail Service(万国郵便連合の規定する業務で、EMS業務と略称される)郵便物に大別されます。
内国郵便と同様に普通扱いと特殊取扱いがありますが、その他に発送方法(送達手段)の違いによって、船便、航空便とそれを取り混ぜた取扱いのエコノミー航空郵便Surface Air Lifted(SAL便)があります。馴染みのあるサービス名としては、EMS,SAL、Eパケット等があります。
国際郵便とは、国際機関「万国郵便連合」によって運営されている公的配送ネットワークサービスの事を指し、
日本なら日本郵便、アメリカはUSPS(United States Postal Service:アメリカ合衆国郵便公社)、中国は中国郵政などが国際郵便の運営会社に該当します。
民間配送会社は日本ではヤマト運輸や佐川急便、海外ではDHL、FedExが該当しますが、サービスは多様化していることから料金が高い傾向がありますが、公的配送会社よりも短時間で配送できるという特徴があります。
国際郵便は、特に越境EC市場において利用頻度が高い傾向があります。
国際郵便の種類と取り扱い
通常郵便物
通常郵便物には、書状、郵便葉書、印刷物、小形包装物および点字郵便物が含まれ、小形包装物は小さな小包といえるもので、重量も2キログラム以下となっています。
EMS
EMS業務は、万国郵便条約第6章第4部に定める特別取扱いで、通常郵便物、小包郵便物の対象となる通信文、書類または物品を航空便で最優先的に運送し、もっとも速いと認められる方法で配達し、かつその引受と配達について記録し、万一の場合に保障のある取扱いとなっています。
SAL
SAL便は差出国とあて地の国内は船便扱いですが、差出国からあて地の国までは航空便扱いとするものです。
このため料金が安く、「船便より速く、航空郵便より経済的である」といわれています。
SAL便による取扱いは、小包、印刷物、小形包装物であり、
SAL小包の取扱いは、1985年7月、
SAL印刷物は、87年10月に取扱いを開始し、
2000年3月現在80か国・地域を対象としています。
日本郵便の場合
日本郵便の国際配送方法と配送可能な荷物は以下の通りです。
名称 | サイズ | 重量 |
---|---|---|
小型包装物 | 三辺の合計:90cm以内 | 2㎏以内 |
国際小包 | 三辺の合計:2~3m以内 | 30㎏以内 |
国際スピード郵便(EMS) | 最大辺の長さ:1.5m以下 三辺の合計:3m以下 |
30㎏以内 |
小型包装物と国際小包は、航空便か船便、エコノミー航空(SAL)便の3種類の発送手段が選ぶことが出来ます。(画像引用元)
国際郵便の場合は、航空と海上輸送を使い分けて輸送しています。ただし、分類はあくまで郵便の為、輸送先の国によっては、配達制限があるので、注意が必要です。
国際宅配便程、急がず、安価に輸送したい場合は、国際郵便を選択される方が多くなります。
料金設定については、グラム単位での設定となります。
- 航空貨物でなく、郵便なので、容積重量の概念は無い。
- 分かり易い料金設定
料金比較
今回は日本で主に使われている、以下の5社で比較してみます。
・日本郵政
・ヤマト運輸
・佐川急便
・DHL
・FedEx
上記5社の料金を比較してみましょう。
(Case:1kgの荷物を東京からアメリカのカリフォルニア州に発送する場合)引用元
日本郵政 | ヤマト運輸 | 佐川急便 | DHL | FedEx | |
---|---|---|---|---|---|
料金 | 2,900円 | 1,200円 | 5,900円 | 8,600円 | 9,240円 |
上記を比較すると、ヤマト運輸のサービスが安いことが確認できると思います。
ただ、国際郵便と比較すると、配送不可になるリスクもありますので、要注意が必要だと言えるでしょう。
信書の取り扱い
納品書、領収書、見積書などの信書に関しては、国際郵便では基本的にEMSでしか送ることが出来ないことに注意してください。
信書については、総務省で以下のように定義されております。
【各社共通で海外発送できないもの】
- 爆発物や危険物、麻薬類、生きた動物、わいせつな物品
- 軍施設あての荷物や代金引換の料金払いの荷物、遺体・遺灰、爆発物・銃器、生鮮食品、剥製などを含む動物、植物、有害廃棄物、違法なもの、濡れているもの
税関への申告について
内用品の合計価格が20万円以下の荷物は、税関に輸出申告して許可を得る必要はありません。
ただし、一般的に国際輸送貨物は、輸出より輸入のほうが厳しく、通関事情は日本と異なります。
日本から出荷できても、現地の税関で輸入を認められない事もある点は、国際宅配便と同じです。
国際宅配便の場合は輸出入ともに100%申告する。輸出許可証は必ず発行されます。
輸出許可証は何の商品をいくら輸出したのか証明できる書類となりますので、輸出免税を受ける場合、必須の書類です。
フライト減便の影響は受けない傾向があります。
EMSの場合、コロナの影響によりストップしていた時期もあります。
EMSは国際宅配便とはまったく異なるサービスとなります。
まとめ
越境ECの輸送を理解する事はとても大切です。
海外に向けて商品を輸送する場合には、税関の許可を得ない事には密輸行為となります。
海外の規制も事前に調査し、国際郵便と国際宅配便の違いを理解し、最適な輸送方法で荷物を輸送できるよう本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
良く比較対象となるサービス、国際宅配便についても以下記事でまとめていますので、是非合わせてご確認ください。