令和3年(2021年)3月31日、厚生労働省より「令和元年度職業紹介事業報告書の集計結果」が公開されました。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000761347.pdf
1.求人数と就職件数、手数料額について
2019年の職業紹介事業の手数料収入は5874億円でした。
求人数は878万人に対して、就職が決まった数(就職件数)は73万件(約8.3%)が2019年就職が決まっていました。
手数料収入を就職が決まった数698,414件で割ると、1件あたりの平均収入は約84.1万円となります。
求人数(常用求人)・・・・ 約878万人 (対前年度比 14.8%増)
有料職業紹介事業 7,658,477人
無料職業紹介事業 1,121,726人
就職件数(常用就職)・・・・ 約73万件 (対前年度比 0.6%増)
有料職業紹介事業 698,414件( 同 0.7%増)
無料職業紹介事業 35,422件( 同 2.8%減)
全体の就職件数の内、有料職業紹介事業が95%も占めており、有料の職業紹介者にサポートされている方のほうが圧倒的に就職ができているという驚きの結果でした。
求人数と就職件数を比較
求人数と就職率の比率で比較すると
無料職業紹介事業 35,422件 ÷ 無料職業紹介事業 1,121,726人 = 約3%
有料職業紹介事業 698,414件 ÷ 有料職業紹介事業 7,658,477人 = 約9%
就職の決まり易さでも 有料職業紹介事業者は 無料職業紹介事業者に 比べ 約3倍も高い確率で 求職者を就職へと導いている事がわかりました。
(2) 手数料徴収状況の年度別推移
2019年(令和元年)は5874億円、2018年は5418億円、2017年4446億円、2016年3876億円、2015年3535億円と、成長産業となっています。
2015年と2018年を比較すると、53%も増えています。
2015年(18457)と2018年(20783)は12%増えており、手数料に比べ事業者数は増えていない事から、人材紹介業は人手が足りていない可能性もありそうです。
物流関係の職業数字まとめ
会計、一般事務、営業を除き、物流関係の職種だと思われる数字をPickUpしてみました。
常用求人数(有料)
区分 | 人 |
---|---|
運輸・郵便事務の職業 | 7,424 |
鉄道運転の職業 | 963 |
船舶・航空機運転の職業 | 235 |
その他の輸送の職業 | 4,734 |
運搬の職業 | 20,197 |
常用就職件数(有料)
区分 | 人 |
---|---|
運輸・郵便事務の職業 | 751 |
鉄道運転の職業 | 61 |
船舶・航空機運転の職業 | 18 |
その他の輸送の職業 | 1,734 |
運搬の職業 | 2,948 |
手数料徴収状況 (令和元年度)
区分 | 手数料合計(円) | 金額/(常用就職件数)人 |
---|---|---|
運輸・郵便事務の職業 | 645,160,000 | 859,068円 |
鉄道運転の職業 | 69,778,000 | 1,143,901円 |
船舶・航空機運転の職業 | 22,540,000 | 1,252,222円 |
その他の輸送の職業 | 453,282,000 | 261,408円 |
運搬の職業 | 1,976,945,000 | 670,605円 |
このように全職業データから物流関係のデータのみを見てみると、鉄道・船関係の仕事は求人数が少なく、運搬系の仕事は常に求人があり、就職のチャンスがある事が伺えます。
トラックドライバー不足問題や、EC事業規模拡大に伴う事業転換など、物流業界を取り巻く環境は変化しており、求人数の多さ・就職チャンスはまだまだ大きいと言えます。
もっと学びたい方向け
労働就業者人口データ、物流業界では約258万人と発表されており、全産業就業者数の約4%程(258/6681≒4%)もの人達が物流業界で仕事をしています。
業界規模が大きい物流業界ですが、仕事をする魅力は何でしょうか?物流業界の面白さについてまとめています。
2024年4月には労働基準法が改正され、特にトラックドライバーの長時間労働問題が話題となっています。
トラックドライバーの高齢化や、低所得問題も重なり、解決していく必要があります。その中でも注目されているRoro船についても是非知ってください。