退職理由は転職活動の中で最も重要な要素の一つである。
転職エージェントとして求職者との面談をしているなかで、ここの伝え方を間違ってしまい転職を失敗してしまうケースは本当に多いと実感している。
退職理由は転職の面接で必ず聞かれる質問なので、しっかりと対策をしておく必要があるのだ。今回は退職理由を上手に伝えるためのポイントを、例を交えながら詳しく紹介していこう。
ポジティブな視点で退職理由を捉える
退職理由を伝える際はネガティブな要素をポジティブに変換し、あくまでも前向きな理由であることを面接官に見せることが重要である。
ポジティブな視点で退職を捉えることで、面接官からの減点を避けるだけでなく、場合によっては好印象が得られる可能性もある。
例1: 「給与が低かった」→「もっと自分の価値に見合った報酬を求めている」
例2: 「人間関係が悪かった」→「よりチームワークが良好な職場で働きたい」
ここでの注意点はネガティブな表現を重ね過ぎたり、感情的になることはNGだ。面接担当者もあまりにネガティブな言葉を受けてしまうと、あなたは他責思考の人材だと判断されてしまう。
ここは必ず面接を受ける前にしっかりと準備をしておきたいポイントだ。
自己分析を行い転職の軸を決める
転職活動をする際は改めて自己分析を行い、自分の強みや短所、目指すキャリアパスを明確にしよう。
例え退職理由がネガティブなものだったとしても、自分が大切にしている価値観からずれていたことを認識することが出来るかもしれない。
改めて強みを確認する
また自己分析をすることで、自分の強みも再認識することが出来る。社会人になると短所を補うより、長所を伸ばすことの方が重要だ。自分の強みを活かせる環境で働きたいと軸を決めることが大切になってくる。
例:「自分の長所はコミュニケーション能力であり、短所は細かい作業が苦手だと感じています。新しい職場では、この強みを活かしてチームをリードする役割を担いたい」というように伝えよう。
退職理由と転職の軸を整理する
退職理由と転職の軸は関連していることが多いため、整合性を確認しておくことが大切だ。転職の軸を明確にし、それに沿った転職活動を展開しよう。その為に必要なのが上述した自己分析である。
また、転職の軸と退職理由が矛盾しないように注意する必要がある。 自分のスキルが未熟だと認識しており、スキルアップが目的であれば、同時に給与に対して強く交渉するのは難しいだろう。
例: 「給与アップを目指す」→「スキルアップとキャリアアップが可能な環境を求める」
軸を持つことの重要性
弊社の面談においても軸が定まっていない求職者は本当に多いという印象である。それくらい多くの求職者は強い目的もなく、また現状から離れることに意識をもって転職活動をする傾向がある。
だからしっかりと自己分析をして自分の価値観や転職活動にしっかりした軸を持つことで、転職活動が成功しやすくなるのだ。他の人はやっていないのだから、ここが差をつける良いポイントだ。
退職理由を簡潔にまとめる
退職理由は短く簡潔にまとめよう。言い訳や長々とした説明は避け、ポイントを絞って伝えることが重要だ。退職理由を自らダラダラと話しすぎると墓穴を掘ってしまうかもしれないし、面接官もそこから話を広げやすくなる。
トークの流れを上手くコントロール出来るスキルがあれば大丈夫だが、そうでない場合はシンプルな言葉で端的に退職理由を伝えよう。
例: 「キャリアアップのために新しい環境でチャレンジしたい」
例:「責任あるポジションで業務に取り組みたい」
志望動機との関連性を明確にする
企業にエントリーをする時には志望動機は不可欠だ。そして退職理由は志望動機とも密接に関連しているため、その関連性を明確にし、矛盾がないように伝えることが求められる。
それくらい軸が大切なのだ。
あなたが退職した理由とエントリーしている会社が求めている人材の背景をリンクさせ、自分の考えが一貫していることをアピールしよう。
こうすることで軸を持って転職活動をしていることが相手にも伝わるだろう。
例1: 前職でのマーケティング経験を活かしつつ、新たな業界でスキルを磨きたいという志望動機の場合
「前職では業界の専門性が限定的だったため、もっと幅広い業界でのマーケティング経験を積みたい」と退職理由を述べる。
例2: 前職のリーダーシップ経験を活かしてマネジメント職を目指すという志望動機の場合
「前職ではマネジメントの機会が限られていたため、チームを率いる経験を増やしてキャリアを積みたい」と退職理由を述べる。
まとめ
徹底的に自己分析を行い自分の軸を明確にする。そして これらのポイントを抑えることで、退職理由を適切に伝えることができるだろう。
転職回数が多かったとしても、自分の軸とポジティブな言葉で退職理由を伝えることで、面接官からの減点も避ける事ができるだろう。
また、企業側の視点を意識してコミュニケーションを大切にし、適切な言葉遣いや表現を用いることも忘れてはいけない。
非常に重要なポイントなのでしっかりと時間をとって対策をして欲しい。