転職エージェントとして活動をしていると、「この人は何がしたいんだろう?」とどのようにキャリアプランを提案したらよいか悩むことがある。
今の環境が嫌だから、もっと高い収入が欲しい、周りが転職しているからというような理由で転職活動をする人は意外と少なくない。しかし、そのような転職を繰り返していると、多くの求職者と話をしている面接官の目を誤魔化すことはできない。
もしあなたが転職を成功させたいのなら、自分の転職に確固たる「軸」を持つことだ。今日はそれについてお話をしていきたいと思う。
入社の意思決定でブレない
もしあなたが現在 25歳〜27歳で、30代でより良い条件の会社にキャリアアップをしていくという目標があったとしよう。そして、それには土台となる「スキルアップ」が必要だ。
その場合、あなたにとって求人が提供する研修体制やスキルアップの機会が豊富であればあるほど、その企業への入社意向が高まるだろう。
一方で、全く研修制度がない、いつも同じ仕事ばかりすることになるという場合、たとえ他の条件が良くても入社することはないだろう。
また万が一そういう会社に入社してしまうと、長続きはしないし自分のキャリアに泥を塗ってしまうことになるのが最初から分かることになる。
「転職の軸」があることで、自分の意思決定の基準ができるのだ。
自分に合った求人を選ぶことができる
また転職に軸を持つと自分に合った求人選定ができる。
転職の軸が「仕事とプライベートのバランス」であれば、勤務時間や休日、テレワークの有無などを重視して求人を選ぶことになる。この軸があることで、自分のライフスタイルに合った求人選定が可能となり、無理なく働ける会社を見つけられる。
何を軸にするかはあなた次第だ。転職は、ある程度 社会人経験ができて自分を知った上で、多数の選択肢のなかから仕事を選ぶ行為である。自分に合った求人を選びたいところだ。
転職後のミスマッチが減る
転職の軸を持つ大きなメリットがミスマッチを減らすことである。もし転職の軸が「給与アップ」であれば、高給与を提示する企業に転職するだろう。
しかし、その代わりに過酷な労働を強いられることがある。そのような状況を事前に予見し、自分が受け入れられる範囲内の仕事を選ぶことで、転職後のミスマッチを減らすことができる。
NGの許容範囲を把握する
自分にとってのNGが、どれくらいの許容範囲なのかも理解しておくことが大切だ。長時間労働になるといっても、残業時間が月に20時間と80時間では全く違う。
自分だけでなく家族などがいると自分以外のことも含めて考慮する必要があるだろう。
リサーチを欠かさない
自分の軸を持つと同時に事前のリサーチが重要ということも分かるだろう。自分のことだけを知っていてもダメで、自分が面接を受ける企業のこともHPやクチコミサイトを見るだけでなく、エージェントにも聞いてみよう。
可能であればLinkedInなどで社名を検索し、働いている人にコンタクトをとって聞いてみるのもミスマッチを防ぐために有効だ。
自己分析をする
これらの理由から、転職の軸を決めることは転職活動において非常に重要なプロセスであると言える。転職の軸は、自分自身の価値観や優先事項を明確化するという意味でも役立つ。
しかし、転職の軸を決めることは難しいと感じる人も多いだろう。それは、自分が何を大切に思っているのか、何を求めているのかを明確にするという自己分析の過程が含まれるからである。
その難しさを乗り越えることで、自分にとって最適な仕事や職場を見つける可能性が高まる。
目標達成に向けて計画的に動く
また、転職の軸を設定する際は、具体的かつ達成可能な目標を設定することが重要である。
抽象的な目標では、自分が何を求めているのかが明確にならず、結果的に求人選定や入社意志決定が難しくなる可能性がある。
具体的な目標を設定することで、自分の求めている条件に合った求人を見つけやすくなるだろう。
計画・実行力がアップする
そして何より大切なのは、その立てた目標を計画的に実行していくプロセスである。
これは転職だけでなく仕事でも活きてくる大きなスキルだ。主に転職では働きながら時間をつくって自己分析をしたり、求人企業を調べたり、面接を繰り返して行くことになる。
実現したい自分をゴールにどこの会社に入社するかを狙いを定め、それに対して適切なアプローチを仕掛けていくことで身に付くスキルは意外と小さくない。
まとめ
転職の軸は一度決めたからといって固定的なものではない。自分自身の成長や価値観の変化によって、転職の軸も変化することがある。そのため、定期的に転職の軸を見直し、自分自身と向き合うことも重要である。
自己分析と自己実現を目指し、最適な仕事選びをしよう。転職活動は自分自身の人生を見つめ直す絶好の機会であると僕は思う。あなたが自分にとって最良の選択をするために、この記事が参考になれば嬉しい限りだ。