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2022年、貿易の転職は売り手市場と実感した話 | 転職

新卒や転職をする時に人材マーケットが売り手市場か買い手市場かは、押さえておきたい大きなポイントだと思う。

就職氷河期世代の僕は大学の時(18年前)に、周りが全然うまく就職活動をすることが出来ていなかったことを覚えている。不景気のため企業が採用社数を絞っていたのだ。


しかし時は流れて令和4年。2022年9月から人材紹介業を開始して、人材マーケットに参入をしてみて今が売り手市場なのか、買い手市場なのか?

タイトルで答えを言ってしまっているが、その根拠をお話ししたいと思う。

業界の人材不足

最初にお伝えしなければいけないのは、僕がターゲットとしているのは貿易・国際物流業界の人材マーケットだ。なのでこの業界の話だということをご理解頂きたい。


新規事業を始めてまだ1ヶ月も経たないうちに、多くの企業様から求人案件を頂いている。

これは弊社が業界特化というのもあるかもしれないが、会社訪問をしたり、人に会えば、「現在 人を募集している」と依頼が来る状況。

フォワーダーの求人

また僕らが現在メインで働きかけているターゲットはフォワーダーとなる。これは僕らの得意分野であり、創業当初は得意を攻める方が効率的だからだ。

なぜフォワーダー業界では求人募集が多いのか?ヒアリングをしていると人が辞めていくという理由や、更に事業を拡大したいという理由もある。

人が辞める

人が辞めていく理由に関しては、給料が上がらない、家庭環境の変化、組織の停滞、人間関係など様々だと思う。もしバケツに穴が開いている状態であれば、それは塞いだ方が良いと思うのだが、穴が開いていることに気づいていない幹部たちもいる印象はある。

こういうのって現場の人たちは既に実感しているのだが、古い組織ほど変わりにくいものかなと個人的には思っている。

事業の拡大

コロナ禍の国際物流業者は二極化したのではないだろうか。大手ほど本船のスペースが確保でき、コンテナ1本あたりの売上・利益が上がり大きな収益を得ているケースが多い。

また半導体などの輸送を取り扱っている場合だと製品の動きは大きく、これも収益に繋がりやすい。


収益を確保したイケイケの会社は事業拡大に動く傾向があると実感している。古くて保守的な会社は内部留保をしているが、それだと人は辞めていくと個人的には思っている。

未経験でもOK

この業界は仕事内容は別の会社に行っても同じようなものなので、経験者で即戦力を求められることが多い。

しかし会社によっては育成の仕組みがあり、未経験の方が前職の経験が邪魔にならないと考えている会社も意外とある。

業界未経験の営業

例えば、営業のポジション。別の業界で何らかの実績を作ったことがある、住宅販売などでよりキツいノルマをこなしてきたことがある、元スポーツ選手で自己管理が出来てガッツがあるなど、業界の経験以上に大切なものを培ってきた人がいる。

こういう人には知識を後から入れてあげれば、フォワーダーの業界に転職したとしてもうまくいく可能性は高い。弊社のTRADE CAMPは異業種からの転職する人のためにも使って欲しい。

未経験の通関士

通関士の資格は国家資格で人気も高いが難易度も高い。その為、通関会社で働いたことがなくても勉強をして通関士の資格を取る人がいる。

これも会社によるのだが通関業務の経験のある通関資格者を欲しいという企業もあれば、未経験でも良いから通関士の資格者が欲しいという企業もある。


通関士の仕事は通関対応した件数が数字で分かる。なのでリモートでも出来なくはないし、今後はリモートで通関業務OKという企業も増えていくことを願っている。

雇用の流動性

最後にこれはフォワーダー業界だけではないのだが、日本の貿易関係の会社は歴史が古いところも多く、福利厚生なども充実していたりして雇用の流動性が少ない傾向にある。

その為、年功序列の色が強く部長・役員の席になかなか空きが出ない。また中小企業においては僕がいたタイでは10−20年も駐在している人は結構いる。


よく言えば安定をしているのだが、悪く言えば変化が少ないと言えるだろう。

勢いのある海外企業

現在の企業の営利活動は世界戦になっている。世界では若い人たちが次々と新しいアイデアを出し、行動力も激しく変化が激しいのが常にある。

一方で上述した10−20年いる海外駐在員で、何か新しいことを積極的に出来る人材は希少だ。


ではそもそも、なぜ日本人の海外駐在で10−20年選手が普通にいるのだろうか?

海外で働ける人材の不足

一つに人材不足が考えられる。海外での仕事というのは日本とは大きく違い、まず言葉が違い、文化も違う。場所によっては日本食なども少ない国もある。そんな中で現地スタッフたちと上手くやっていくのは簡単なことではない。

また特定の人物が同じ場所に駐在してしまうと、その人に依頼し続ける方が簡単だからだ。>でもこれでは新しいことは生まれない。個人的にはここを変えていきたいと思っている。

まとめ

まだ人材紹介業を始めて1ヶ月だが、この業界の人材不足を実際に肌で感じている。経験者を求めている企業もあれば、未経験でもOKという企業も少なくない。もしあなたが未経験だがこの業界に興味があるなら普通に飛び込める環境はあるのだ。


そして最後にお話ししたように海外就職においても同じである。とにかく人が足りていない。完全に売り手市場である。この波に乗るには情報感度を高くして、行動をするしかないだろう。

この記事を書いた人

イーノさん

イーノさん

飯野慎哉 - (株)HPS Link代表取締役社長。タイでHPS Trade Co.,Ltd 国際物流業者(フォワーダー)CEO。累計チャンネル登録者数8万人のLogistics YouTuber。 貿易・国際物流業界をもっとカッコ良くしたい。